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Can't Undo In The Future未来のために

Sentaro
August 10th, 2020

新型コロナウイルスの影響で、世界中でロックダウンが施行され、人々は外出を制限し、経済活動をストップした。それに伴い、交通量が減り、飛行機も減便され、4月上旬の時点で二酸化炭素排出量が前年比17%も減少していた。都市部ではスモッグが消え、空気が透き通り、美しい青空が見えるようになった。この短期間で、地球がより地球らしく回帰していることは、日々の人間の活動がもたらす環境への影響を再認識させてくれる。

環境問題を自分の世界の「リアル」として認識するようになったきっかけは、環境活動家であるグレタ・トゥーンベリの存在だ。彼女の活動から現状の深刻さを知ることで、気候変動がもたらす地球への影響、健康への被害を調べるようになり、これらの問題により真剣に向き合うようになった。

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)の報告書よると、現在の気温は産業革命前より1.1℃上昇しており、このまま上がり続ければ、最悪の場合、あと80年で4℃以上も温暖化が進むと考えられている。2℃の上昇は干ばつによる農地の減少に繋がり、2.8℃の上昇で安全な水へのアクセスが希少になり、3.5℃の上昇は海面上昇を引き起こし、世界の多くの都市を水没させる。4℃の上昇が地球にもたらす影響を想像することはそれほど困難なことではないだろう。そして、この温暖化の被害を真っ先に受けているのは、途上国や島嶼国に住む二酸化炭素の排出が少ない人々なのだ。

日本は世界で最も多くの二酸化炭素を排出する国の一つであり、昨年の9月に開催された「気候変動サミット」では、排出量対策を十分に行っていないこと、あるいはパリ協定に反する政策を自ら打ち出していることを理由に、サミットの登壇国から除外された。日本のような裕福な国がパリ協定を守ろうと努力せずに、どうして、発展途上国が気にかけることができるのだろうか。どうやって、地球規模の危機を乗り切ることができるだろうか。過去はキャンセルすることができない。いまを生きる私たちのアクションが人類の未来を左右するのだ。グレタは言う。「私たちの家は燃えているのです。パニックになるべきなのです。希望や目標を語るのではなく、アクションを起こさなければいけないのです。」

社会の劇的な変化が求められている中で、個人のスケールでこの問題に取り組むことに虚無感を抱く人もいるかもしれない。しかし、私たちの日々の「選択」によって、二酸化炭素の排出量は大幅に減らすことができる。『ジェーン・グドール・インスティテュート』の創設者であり、国連ピース・メッセンジャーでもあるジェーン・グドール博士は、「グローバルに考え、ローカルで行動すべきという考えは間違いで、グローバルに考える前に、ローカルで行動しなければならないのです。」と話す。

ローカルな視点で、個人ができることはなんだろうか。グレタは TEDxSTOCKHOLM で行ったスピーチの中でこう話している。「アクションを起こさない人間は邪悪なのか?もちろん違う。大多数の人が日常生活がどんな結果を引き起こすのか知らず、速やかな変化が必要なことを知らないのです」。私たちが最初にとるべき行動は、気候変動、環境問題についてちゃんと知ること、それらにジブンゴトとして向き合えるようになることだろう。そして、自分のできることからアクションを起こしていく。地元の旬の食材を買うようにする、週に2日はお肉を食べない日を設ける、ちょっとした検索は Ecosia と使ってみるなど、全員が何か行動を起こせば、この世界はきっと大きく変わっていく。

未来を変えるために必要なのは、厳しくルールを守ることでも、大袈裟なことでもなく、個々の暮らしを見つめ直すことなのだろう。一人ひとりが自分の中に「リトル・トゥーンベリ」をもつことが、地球の未来を救うための大きな希望になるはずだ。


🌏What We Read This Week

環境破壊とパンデミック

「世界中に広がったCOVID-19は、人間による環境破壊によって人間自らが招いた結果です」とチンパンジーの研究分野で権威的存在であるジェーン・グドールは言う。生物の住処である森林を切り崩し、何百万もの動物の生息地を奪うことは、動物と人間との接触の機会を増やし、ウイルスが種の壁を越える環境を作りだす。環境を破壊し、動物を軽視することをやめなければ、また次のパンデミックの脅威は避けられない。 環境破壊にブレーキをかけるには、GDPという評価軸をやめ、別の形の経済を持たなければならない。限りある天然資源と人口増加の地球上で、無限の経済発展は不可能であり、生態系の未来がなければ、経済成長はあり得ない。消費者も、その商品は環境に害を与えていないか?、動物への残酷な行為につながっていないか?、児童奴隷労働が背景にないか?など毎日の小さな選択の結果について考えることが大切だ。 貧困も環境破壊の要因の一つだ。家族の食料のために、木を伐採し土地を作ったり、都市部に住んでいれば、一番安いジャンクフードを買う。貧しい人たちは、環境破壊について考える余裕もなく、生き残るために安価なものを購入する。 また、私たちは動物をもっと尊重すべきだとジェーンは強調する。「知っての通り、動物は人間が考えていたよりもずっと知能が高く、人間のように感情や個性を持っています。食肉市場や工場での恐怖や痛み、精神的にも肉体的にも苦しんでいることを考えるとショッキングではないでしょうか?」。 人間の食用として育てられる動物の生育環境の酷さ、また、その過程で生まれる二酸化炭素や使用される水の量は環境破壊に大きく影響を与えることも私たちは考えなければならない。私たちは毎日何らかの影響を与えていて、その影響を選択することができる。このパンデミックの期間を通して、自分の新しい生活様式を築くことは、未来のパンデミックを抑止するためにも必要なことなのだろう。

Jane Goodall on conservation, climate change and COVID-19: "If we carry on with business as usual, we are going to destroy ourselves"

気候変動のための大衆実験

自然の中にいるときの畏敬の念は、私たちの環境に対する行動に影響を与えるメカニズムの一つとなっているかもしれない。 エクセター大学の環境心理学者であるマシュー・ホワイトはCovid-19に先立って大規模な研究を実施し、自然の中で過ごす時間と、より持続可能な行動との間には因果関係があるという証拠を発見したそうだ。天の川の中にある無数の星々や、霧の中に消えてしまった木の幹の広がりを見たときに感じるこの驚きの感覚は、より大きな全体の文脈の中に自分自身が存在しているということを実感させてくれるのではないだろうか。 セント・トーマス大学の心理学の教授であるエリーゼ・アメルもまた、人々は目に見えないものが目に見えるようになったとき、これまでとは異なる行動をとるようになると指摘している。「あなたが日々どれだけのエネルギーを使用しているか、またはどれだけの食品を捨てているかなどを初めて見ることができたとき、あなたは思考を巡らせ行動を変更させるかもしれません。」とアメルは言う。 Google Trendsによると、世界的なロックダウン中、「鳥の鳴き声」、「植物の成長」などのオンライン検索数は1年前の2倍に達している。多くの人が自然の中で過ごす時間を増やすことができ、そしてこれまでの自身の行動を振り返ることができたとき、地球に健康と豊かさをもたらすことができるのだろう。

A ‘mass experiment’ for the climate


📽The Movies We Watched

AMELIE

2001年に公開されたフランス映画。”少し変わった”両親に育てられたアメリ(オドレイ・トトゥ)は、少し変わった女の子。学校には行かずに、元教師の母に教育を受けたアメリは、大人になって、パリ・モンマルトルのカフェで働くことに。とある出来事をきっかけに、他人を幸せにすることに喜びを見出し、独創的な方法で他人の幸せを手助けする。そんなアメリはある日恋に落ちてしまう。他人の幸せばかり求めてきたアメリの不器用な恋を描く、ブラックユーモアと愛らしさ溢れる映画です。

365日のシンプルライフ

フィンランド人の青年ペトリ・ルーッカイネン(本人)は失恋を機に、ふと自分の部屋を見回し、自分の生活はモノに支配されているのでは?と疑問を抱き、ある実験を始める。実験のルールは4つ。①自分の持ちモノを全て倉庫に預ける。②1日に1個だけ倉庫から持ってくる。③1年間続ける。④1年間何も買わない。自分にとっての大切なモノ、ライフスタイルを見極める、ペトリ青年自らフィルムに収めたドキュメンタリー作品。

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Unspoken Imagination

徐々に言葉を覚え始め、だんだんと話ができるようになったくらいの小さい子どもと会話をしていると、大人が使わないような可愛らしい言葉や、突拍子もない言葉が出てきたりして、なんとも面白いのだが、時々その子が何を伝えたいのかが理解できなくて戸惑う場面があったりもする。

August 3rd

Recognizing Bias

人種やジェンダーの差別と比べると、年齢の差別はそれほど大きな問題として認識されてはいない。その要因の一つとして、いつかは必ず、誰もが「差別される側」にまわってしまうということがあげられるだろう。

July 27th
©︎ 2021 Toasterr
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